
猫と暮らしていると、定期的に行いたいケアの一つが「耳掃除」です。
とはいえ、「本当に必要なの?」「どうやってやるの?」「嫌がられそう…」と、不安や疑問を持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、猫の耳掃除の必要性や頻度、具体的なやり方、注意すべきポイントなどをわかりやすく解説します。大切な愛猫が快適に過ごせるように、ぜひ参考にしてください。
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■ 猫に耳掃除は必要?
猫は本来、自分で毛づくろいをして体を清潔に保つ習性がありますが、耳の中までは舌が届かないため、自然に汚れがたまってしまうことがあります。特に、以下のような猫ちゃんは耳掃除が必要なケースが多くなります。
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耳が大きくて立っている猫(例:アビシニアンやシャムなど)
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被毛の多い猫(耳の中にも毛が生えやすい)
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アレルギー体質や皮膚トラブルを抱えている猫
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耳ダニや外耳炎の既往がある猫
健康な耳は、薄いピンク色で、においや分泌物もほとんどありません。
しかし、黒い耳垢がたまっていたり、かゆがったり、赤く炎症を起こしていたら、すぐにケアが必要なサインです。
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■ 耳掃除の頻度はどれくらい?
耳掃除は、やりすぎも禁物です。頻繁に耳の中を触ることで、逆に炎症を起こしたり、耳垢を奥に押し込んでしまうリスクがあります。
一般的には、
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月に1〜2回程度
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耳垢の量やにおいが気になるときのみ
を目安にしましょう。何も異常がない場合は、無理に掃除する必要はありません。
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■ 用意するもの
猫の耳掃除に必要なアイテムは、次の通りです。
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ペット用イヤークリーナー(動物病院やペットショップで購入可能)
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コットンやガーゼ(綿棒は基本的に使用しない)
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タオル(猫を包んで固定するため)
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おやつ(ごほうび用)
市販の人間用の綿棒やアルコール入りのウェットティッシュは、猫の耳には刺激が強すぎるので避けましょう。
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■ 猫の耳掃除のやり方
猫にとって耳掃除は、決して気持ちの良い時間ではありません。無理に抑えつけると、強く嫌がってしまったり、トラウマになることもあります。猫の様子を見ながら、優しく進めていきましょう。
1. 猫の体を固定する
猫が暴れないように、バスタオルで体を包むか、誰かに保定してもらいます。膝の上に乗せてやると安心する子もいます。
2. イヤークリーナーを使う
コットンやガーゼにイヤークリーナーを含ませ、耳の入り口あたりを優しく拭き取ります。奥まで突っ込まないように注意してください。
※耳の奥に液体を直接垂らす方法もありますが、これは獣医師の指導がある場合のみにしましょう。
3. 優しくマッサージ
クリーナーで拭いた後、耳の付け根を軽くマッサージすると、奥にたまった汚れが浮き出やすくなります。
4. ごほうびタイム
終わった後は、たくさん褒めておやつをあげてください。少しずつ耳掃除を「嫌なこと」から「終わればいいことがある」に変えていくのがポイントです。
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■ 耳掃除でやってはいけないこと
猫の耳は非常にデリケート。以下のことには注意しましょう。
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綿棒で奥まで掃除しない(鼓膜を傷つける可能性)
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無理に抑えつけない(パニックになる恐れ)
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汚れがひどいのに自宅で処理しようとしない(病気の可能性あり)
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犬用のイヤークリーナーを使わない(成分が合わないことも)
耳から悪臭がしたり、かゆみでしきりに掻いていたり、黒っぽい分泌物が多い場合は、耳ダニや外耳炎などの疾患が考えられます。
この場合は、すぐに動物病院で診察を受けてください。
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■ まとめ
猫の耳掃除は、「月に1〜2回、優しく」が基本。
何も問題がなければ頻繁にする必要はありませんが、日頃から耳の中の状態を観察しておくことが大切です。
慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、愛猫の健康を守るために、少しずつ習慣づけていきましょう。
そして何より大切なのは、終わった後にたくさん褒めて、「耳掃除=嫌なこと」にならないようにしてあげることです。
大切な家族の一員である猫ちゃんが、健康で快適に過ごせるよう、ぜひこの機会に耳のチェックをしてみてくださいね。